日本赤十字社 唐津赤十字病院

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唐津赤十字病院医療安全管理指針

Ⅰ. 総則

1.医療安全管理指針の目的

 唐津赤十字病院医療安全管理指針は,日本赤十字社医療安全管理指針に則り,唐津赤十字病院における医療安全管理体制の確立,医療安全管理のための具体的方策及び医療事故発生時の対応方法等について指針を示し,安全な医療の提供に資することを目的とする.

2.医療安全管理に関する基本的な考え方

 当院の理念は,「安心な医療」「あたたかい看護」「地域への貢献」である.「安心な医療」を提供するには,医療の質と安全性を向上し,医療安全に努めなければならない.医療安全とは,医療事故や医療過誤のような医療トラブルを未然に防止し,トラブルが起きた場合の対応策を講じて,安全な医療サービスを提供できる状態を作る取り組みを指す.

 現在,医療安全では「人は誰でも間違える」ということを前提にしたヒューマンエラー対策が浸透している.ハインリッヒは,1件の重大事故の背後には同じ要因で重大事故に至らなかった29件の軽微な事故が隠れており,さらにその背後には事故寸前だった300件の異常(ヒヤリ・ハット)が存在すると報告されている.ハインリッヒの法則が示す教訓は,事故を防ぐためには日頃からヒヤリ・ハットが起きないようにすることが極めて重要であり,ヒヤリ・ハットなどの情報をできるだけ多く把握し、的確な対策を講じることが必要ということである.また,事故に至るまでには、複数の問題事象が次々に連鎖して最終的な事故に至っている場合が多く,各問題事象の背後には様々な要因が潜んでいるといわれている.そして,その負の連鎖を断ち切ることができれば,最終的な事故に至る前に防止できる場合は多いとされている.つまり,事故の要因は個人の問題ではなく,組織・環境の問題と捉えて,組織レベルで事故防止に取り組むことが重要である.

 

「人は誰でも間違える。しかし、間違いを防ぐことはできる」

 「安心な医療」を提供していくには,職員全員が患者の安全を最優先に考え,その実現を目指す態度や考え方としての「安全文化」を醸成し,院内に定着させていくことが重要である.

 

日本赤十字社の医療安全に関する基本的な考え

1) 組織として医療安全に取り組む

 医療安全を個人の努力や気付きを中心に捉えるのではなく,医療安全推進室を中心とした組織的な活動として捉え,組織横断的に取り組む.また,個人の責任追及によって再発を防止するのでなく,組織内のシステムの観点から分析し,組織として再発防止に取り組む.

2) 職員が医療安全に取り組む環境を整備する

 職員が医療安全に関する正しい知識の理解と技術を向上するための教育研修環境や,万が一医療事故が発生した場合に職員の精神的な負担を軽減するための環境を整備する.

3) 患者・家族と共に取り組む

 安全な医療の提供を実現するためには,患者・家族の理解と参加が重要となる.提供する医療について患者・家族に十分に説明をし,理解を得るとともに,より安全な医療の提供のために,患者・家族の意見を取り入れ,相互に協力する関係を基本とする

4) 地域社会に対して情報を公表し、オープンな姿勢を示す

 医療安全に対する病院の姿勢を示すことで,地域社会と相互の関係を築き上げ,地域から信頼される病院づくりを目指す.

5) 地域の医療機関と連携して安全対策に取り組む

 医療安全は自院だけでなく地域で連携する施設と共に取り組むことが重要であり,地域内でネットワークを構築し,安全対策に取り組む.

3.用語の定義

1) 「アクシデント」

 医療事故と同義.医療行為に起因して人に障害を起こした出来事.不可抗力あるいは過失がない場合と,注意義務を怠ったための過失による場合がある.

2) 「インシデント」

 「ヒヤリ・ハット事例」と同義.誤った医療行為が患者に実施される前に発見されたもの,あるいは誤った医療行為が実施されたが,結果的に被害がなく,その後の観察も不要であった場合.

3) 「医療トラブル」(紛争)

 患者等から講義を受けたケースや,医療紛争に発展する可能性があると認められる時.アクシデントでもインシデントでも発生し,過失や人身被害の有無を問わない.

4) インシデント・アクシデントの患者影響度分類

レベル 事例の内容
0

事故が起こりそうな環境に前もって気付いた事例.

間違ったことが患者に実施される前に気付いた場合.
1 間違ったことが実施され直接的な影響はなかったが,何らかの影響を与えた可能性があり,観察の強化や心身への配慮が必要な場合.
2 間違ったことが実施されたことにより,何らかの変化が生じ,観察の強化及び検査の必要性が生じた場合.
3a 事故のため,簡単な必要性が生じた場合,また治療のために入院日数が増加した場合.
3b 事故のため,濃厚な処置や治療の必要性が生じた場合.また治療のために入院日数が延長した場合.
4 事故による障害が長期にわたると推測される場合.
5

事故が死因となる場合.



Ⅱ. 医療安全管理のための組織体制

1.医療安全推進センター

 当院の医療の質・安全の向上のために,病院長が指名した人員構成において以下の業務を行う.

 1) 組織的位置付け

 医療安全推進センターはその役割・機能から病院長直轄のスタッフ機能とし,組織横断的に活動できる組織配置とする.

 2) 人員配置

   (1) 医療安全管理責任者(医療安全推進センター長):専任

   (2) 医療安全管理者:専従

   (3) 医薬品安全管理責任者:兼任

   (4) 医療機器安全管理責任者:兼任

   (5) 医療放射線安全管理責任者:兼任

   (6) 医療事故・紛争担当責任者:兼任

   (7) 事務職:兼任

 3) 役割と機能

 医療安全の専門部署として,医療事故防止活動に関する施策を実行していき,また,医療事故が発生した際には,迅速かつ的確に対応し,より安全な医療提供体制を確立することを役割とする.

   (1) 医療安全に係る指導に関すること

   (2) 医療安全に係る情報の管理に関すること

   (3) 医療安全に係る会議等に関すること

   (4) 医療安全に係る教育に関すること

   (5) 医療事故の調査に関すること

   (6) 医療安全に係る患者・家族の相談に関すること

   (7) その他,医療における安全管理に関すること

2.医療安全管理委員会

 医療安全管理委員会は,本院に設置されている院内感染対策委員会等,他の医療安全に関連する専門の委員会の活動報告等を受け,必要な調整を行いながら総合的な医療安全対策を審議する.

 病院長は,医療安全管理委員会で審議された医療安全対策をでき得る限り尊重して当院としての組織決定を行い,職員への周知及び実施を図るものとする.

 委員長は病院長,副委員長は病院長が指名した副院長とする.

 医療安全管理委員会の組織・運営等詳細な規定については「医療安全管理委員会設置要綱」に定める.

3.医療安全専門小委員会

 発生したインシデント・アクシデントの中でレベルの高い(3b以上)事例,対策が急がれる事例,組織的システム変更が必要な事例等に関して審議する.

 医療安全専門小委員会は,医療安全管理責任者が指名した部門の代表者で構成される.

 医療安全専門小委員会の組織・運営等詳細な規定については,別記「医療安全専門小委員会設置要綱」に定める.

4.リスクマネジメント検討会

 各部門部署からの医療安全に関する報告・要望を受け,その内容について審議する.また,医療安全管理上周知・改善すべきと思われる医療事故やヒヤリ・ハット報告等について審議する.

 リスクマネジメント検討会は,院内全ての部門部署の代表者で構成される.

 委員長は,病院長が指名した医療安全管理責任者とする.

 リスクマネジメント検討会の組織・運営等詳細な規定については「リスクマネジメント検討会設置要綱」に定める.

5.M&Mカンファレンス

 当院の患者に於いて,不幸にして合併症が起きたケース,又は死亡したケースを同僚間で振り返り,診療の質及び安全性を改善するために行うものである.

 医療安全管理責任者を委員長とし,開催時は議長も務める.検討内容については一切非公開で行い,開催記録も非公開とする.詳細は,別記「M&Mカンファレンス要綱」に定める.

6.事例検討会

 医療事故に至らなくても医療事故に結びつくおそれのある事例や患者・家族対応で困難を極

めている事例等について検討を行うものである.

 検討会は,病院長が必要と認めた時開催され,その実務は医療社会事業課が担うものである.

 検討会は,病院長,副院長,事務部長,看護部長,医療安全管理者,医療社会事業課長,及び病院長が要請した関係部署の責任者等の出席者で構成される.

7.院内医療事故調査委員会

 医療事故発生時に,その事故原因,事故状況及び対策に関して審議し,再発防止を図るための委員会として設置する.

 院内医療事故調査委員会の委員長は病院長である.

 院内医療事故調査委員会は,病院長,副院長,事務部長,看護部長,医療安全管理者,医療社会事業課長で組織される.

 院内医療事故調査委員会及び医療事故対応の実務は,医療安全推進センターと協力して,医療社会事業課長が担うものとする.

 院内医療事故調査委員会の組織・運営等詳細な規定については,別記「医療事故・紛争対応マニュアル」の要領に定める.

 また,平成27年10月1日より開始された「医療事故調査報告制度」に伴う対応マニュアルは,施策による修正・追加を考慮し,「医療事故調査制度対応マニュアル」として追加し,報告事例が発生した場合は,その手順で実施する.この時の医療事故調査委員会は,医療安全管理責任者,副院長,医療事故の発生した当該診療科の部長,関連する診療科の部長,外部委員,事務部長,看護部長,医療安全管理者,医療社会事業課長で組織され,委員長は委員会で決定した外部委員,または医療安全管理責任者で,副委員長には委員長が指名する者をもって充てる.

※各種委員会の設置要綱については,別に定める.

8.その他 ワーキンググループ

 必要に応じて設置し,各設置要綱に基づき審議・活動を行う.


Ⅳ. 医療安全に関する職員への教育・研修

1) 医療安全管理のための基本的考え方及び具体的方策について,職員に対し周知を図る目的のもとに医療安全管理研修会を年2回開催し,その他必要に応じ随時開催する.
2) 人員配置新規入職職員及び中途採用職員等に対して医療安全管理に関する基本的考え方及び具体的方策について,必要時随時開催する.


Ⅴ. 医療事故を防止するための情報収集,分析,対策立案,評価

 医療安全推進センターは,医療事故の現状把握や事故防止対策の検討のために,インシデント・アクシデントレポートを収集する.また,医療事故に対し,病院として適切に対応するために,現場からの迅速な報告が必要となる.

1.インシデント・アクシデントレポート提出基準

1)職員は業務中において,インシデント・アクシデント,患者からのクレーム,合併症・副作用等の事例を確認した場合は,「インシデント・アクシデント報告基準」「医療事故に関する報告手順」に従い報告する.

2)レベル0~レベル3aの事例の場合は,速やかな所属長への口頭報告及びインシデント管理システム(セーフマスター)への入力を行う.

3)レベル3b以上の事例の場合は,所属長を通じ速やかに医療安全管理者へ口頭による報告をしなければならない.

2.報告された事例への対応

1)医療安全管理責任者及び医療安全管理者は,事例の緊急性・重大性について判断する.
2)病院として迅速な判断が求められる事例については,事例検討会を開催し検討する.
3)緊急性はないが個別対応が必要な事例については,医療安全専門小委員会で報告するとともに,その原因や防止策等の検討をしたうえで,医療安全管理委員会の審議にかけるものとする.
4)事例が発生した部署においては,予防策を立案し,実施,評価,修正を行う.
5)アクシデント(レベル3b以上)は,改善策を立案し,職員への周知を図る.
6)インシデント(0~3a)は,医療安全管理に資することができるよう予防策を立案し,リスクマネジメント検討会で報告するとともに,全職員へセーフマスター上での閲覧を行う.
7)医療安全管理者は,施行された防止策が各部署において確実に実施され,かつ安全対策として有効に機能しているかを点検・評価し,必要に応じて医療安全専門小委員会において検討し見直しを図る.
8)医療安全推進センターは,各会で検討された防止策を審議し,決定した方針に従い,院内の体制・マニュアルを整える.
9)インシデントレポートの運用にあたっては,レポートを提出した者がその報告によって何らの不利益も受けることのないよう配慮を行う.

Ⅵ. 重大医療事故発生時の対応に関する基本方針

 重大医療事故が発生した場合は,「医療事故・紛争対応マニュアル」に準じて対応するとともに,院長へ報告し「医療事故(紛争)報告速報書」を医療社会事業課へ提出する.

 当該事故に関係する診療担当医師等は,患者及びその家族に事故の経緯をよく説明するとともに事故の医療処置については,最善の方法を院長及び担当診療部長と相談し,患者及びその家族の了承を受けたうえで行うものとする.

Ⅶ. 死亡事例への対応

 全死亡事例は,電子カルテ:文書より「死亡患者報告書」を作成し,医療安全推進センターに報告する.

 病院長,医療安全管理責任者,医療安全管理者は,院内における全ての死亡及び死産の把握を行う.

 日本赤十字社,日本医療機能評価機構等への届け出は,事例検討会あるいは医療事故調査委員会で必要性を判断し,最終的に病院長の判断で決定する.

Ⅷ. 患者からの相談対応に関する基本方針

 患者やその家族からの苦情及び相談については,医療相談窓口を設置し相談を受ける.相談内容に応じて適切な部門と連携を取り合い,病院全体で対応する.